取付について

取付方法

クラシックの場合、車両側の基礎電力が低下したものが多いことをご認識ください。 まずは状態を確認して、必要であれば電線を引き直す場合もあります。

他のショップ様で取付けされる場合

他のショップ様で取り付けを依頼される場合、配線や取り付けの不備に起因するトラブルに関して当社では一切責任を負いません。 電気についてのしっかりした知識を身に付けたメカニックは、本当に数少ない状況です。 「ベテランに依頼するから大丈夫」なんてことを言われる方が多いですが、年配の方ほど電気に関してはサッパリだめで、 無茶苦茶な配線がされていることが多い状態です。

電動パワーステアリング・キットの配線自体はシンプルなものですが、とんでもないところから電気をもらったり、容量が足りない配線を使ったりと信じられないような レベルの仕事をするショップが多くあります。 オーディオやETCを取り付けるようなノリで取り付けをされるとトラブルになり兼ねません。 ハンドル操作に関わる部分ですので、下手な取り付けにより事故に繋がる危険性もあります。オーナー様は安心できる取付業者を選択する必要があります。

多くのクラシックカーでは間違った配線処置がされている可能性を考え、取り付けを行う必要があります。その為、当社では他店での取り付けを推奨していません。 弊社では、それぞれのショップのスキルやセンスを全て把握することも出来ない上に、取り付けショップ側の不手際によるトラブルであったとしても、 代理店である当社とメーカーにとっては不名誉なことであるためです。 弊社では、電動パワーステアリング・キットのみを販売する場合は、専門店のスタッフの方と直接お話をさせて頂き、最低限必要と思われるクラシック等のノウハウを聞き 、判断した上でお取引させて戴いております。

極力お車ごと弊社にお持ち下さるようお願いします。 こういうことをお願いしないといけないくらいに、クラシックには適当な電気に関する整備をされていることが多いのです。

配線の重要性

見落とされがちですが配線は車の安定性に関わる部分です。頻繁にボンネットを開けるオーナー様でも気がつかれていないようですが、隠れる箇所は、配線が絡まっている事は少なくありません。 車は機械的な要素だけではなく、電子部品も搭載されています。 学校で習った電気の基礎知識を覚えている方が聞けば、誰でも「ありえない」と思うような処置が、実際には多くの車で行われています。

多くの整備士は電気関係に疎いといわれています。 日本の自動車整備業界では整備士が”電気”に弱い人が多いという問題は以前からいわれており、関連の団体を通じて電気の基礎について勉強会が 開催される事があります。 勉強会と言っても電気抵抗や電気容量の計算で、学校で習ったような電気の基礎的な知識がある方には簡単な内容です。 これを勉強会するぐらいの電気知識しか無い方が、複雑な車の配線を触っているのかと考えると、非常に重い気持ちになります。 配線図を読めないという整備士もいます。電気抵抗を知らないような方に、配線を触らせていませんか。 配線図がなくても「配線は大丈夫」と答えられた業者の処置は疑う必要があります。

電気の基礎知識がある方であっても、適切な処置をすると限りません。 1本の配線入替えであっても、場所によっては内部部品を全て外さないと交換できない箇所にあることがあります。手間がかかるので、 適当に近くにある配線から分配して配線されることが多いのです。

オリジナルの配線は電気容量を計算されて配線されています。分断してはいけない重要な配線を分配して、後付の機器に電気を供給していることが多いのです。 断線した後、安価なテープ止めで繋ぎ処置した跡の車も頻繁にみられますが、断線箇所は適切な処置をしないと熱を持ち、発火します。 いつヒューズが飛んだり、発火してもおかしくない配線状態のクラシックカーは頻繁に目にします。

電装専門の業者様であってもスキル差は大きく、多くは生産されてから何十年も経過した状態を考慮した配線作業ができません。 クラシックを扱える電装業者様ともなると全国的に限られます。車種によって配線の本数は異なりますが、80年代以降の車種になると 配線は100本以上です。配線を繋ぐ先の部品や、その電気容量を確認しての入れ替え作業です。 配線の総入替えは、数人が1ヵ月以上掛かかる大掛かりな作業です。、総入替えともなれば手間暇を考えても、 百万を下らない費用はかかります。オーナー様の中には「過去に、数十万円で配線総入替えをしてもらった」という方もいらっしゃいました。 数十万円で配線総入替えを行う業者も存在しますが、あまりにも安い場合は、手抜き処置されたと考えてもいいでしょう。 配線の容量や後付け機器への取回しを無視して、配線を繋ぐだけなら早く終わります。但し、こういった配線処置は、不調の原因を増やすことになります。

下の図は、クラシックカーによく見られる配線状態をシンプルに表したものです。

酷い車の配線

これまで私がみた中で、入庫時に綺麗な配線処置をしていると思えた車は数十台中1台です。機械的部分は、とてもしっかりされている業者様でも 電気配線は残念な処置跡がみられます。

多くの車種では、ボンネットを開ても見えない箇所や側面に配線されています。見えない箇所だけに、想像以上に酷い処置をほどこされていることがあります。 オリジナルの配線を残したまま、付け足しや分配されることが多く、そもそも配線自体の通電容量が足りていない線もあります。 学校で学んだであろう電気抵抗の知識がある方なら、断線した繋ぎ目の箇所で電気が喪失される事はご存知でしょう。 配線を元から入れ替えるのではなく、途中で分配すれば電気容量が足りない事態を招きますが、この方法で配線を増やされることは少なくありません。 クラシックとよばれる車種は何十年も経過する間に、何度か配線の付け足しや交換処置をされているかと思います。 オーディーオやETCの後付の機器がある場合、内部部品を一切外さず、近くの配線から分配して電気を供給するほうが取り付けが楽です。 数百本あるので、勘だけで作業されている方は間違えて重要な線を切ることもあります。 必要な箇所に電気が全く通っていない事もあります。逆に過剰に電気が供給されすぎて電子機器に負荷をかけていることもあります。

80年代の1台の車に必要な配線は100本以上ありますが、繋がっているけど容量を間違えていた配線が数十本、 どれにも繋がっていない分断されたまま内部に残された配線が、さらに100本以上出てくることもあります。 信じられないかもしれませんが、レストア工程で分解する際に、よくみかけます。不要になった配線を取り除くにも内部部品を外す必要があります。 手間がかかるので取り除かず、見える箇所だけ切り取り、そのまま残されることがあります。 こういった不要な配線が、幾重にも絡まっているので、多くの場合、配線作業は絡まった線を解く作業から始まります。 1本だけ入れ替えするといっても、電線の総入れ替えするのと同じぐらい手間がかかる場合もあります。 根気と辛抱図よさも必要になり、電気知識を持っていても、多くの整備士は配線処置を避け気味です。 多くのクラシックカーでは、「配線がキッチリ仕上げられている」方が数少ないのです。

電装の専門業者に百万以上の費用を掛けて任せれば安心、という訳でもありません。 以前、とある電装業者に外注した事がありますが、電気基礎知識が無いスタッフを雇っている事がありました。 配線の電気容量を無視して、線の太さで判断し勘で配線されていました。 電装は、配線つなぐだけの簡単な仕事と思っている馬鹿野郎もいます。 こんな作業、安価な業者に出すのと大差ありません。 当然、やり直しです。弊社スタッフ総出で、自社で全てやり直しました。 弊社ではアップデートや電子関連に力を入れ、品質管理まで行うので、下手な電装業者よりも社内で作業するほうが綺麗に仕上げれると自負しています。 クラシックの場合、総入れ替えの必要な場合がありますが、配線の総入替えを安心して外注できる業者を探すのは大変です。 品質管理が徹底できる業者様は、全国的にも評判が良いです。もし外注される場合は、全国的に定評の高い専門業者に任せる事をお勧めします。

弊社運営のクラシック専門店Virage developmentでは、数年度ごとに配線をしなおす必要が無いように、数十年の耐久性と将来的な増設を考えた配線総入替えもご案内しております。